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小規模宅地等の特例について

今回は土地の相続が予定されている方にぜひ知っていただきたい内容をお送り致します。

〇遺産に土地が含まれるならぜひ知っておきたい「小規模宅地等の特例」
今回お届けするのは「小規模宅地等の特例」という制度です。
この特例は、ざっくり言いいますと土地に関する相続税がお得になるというものです。日本の相続ではほとんどのケースで不動産が含まれ、土地にも相続税がかかります。土地に関して相続税負担を大きく減らせる小規模宅地等の特例は、将来相続を迎える方がぜひ知っておきたい制度です。

【1】土地の相続税はとても高額です。
遺産となる土地がある場所や地域、広さや状況によってかなり違いは出るものの、土地は一般的に高い価値を有します。
相続の際に土地は相続税評価額によって価値を算定され、市場価格よりは多少抑えられるものの、市街地にある一般的な宅地であれば数百万円~数千万円程度の評価を受けることが多いでしょう。
相続税は他の遺産も全て含めて計算されますが、土地の価値が高いほど相続税が高くなるのは間違いありません。
そこで助けになるのが「小規模宅地等の特例」で、一定の条件を満たす宅地は特別に相続税評価額を下げることができます。
評価が下がる分、相続税の負担が軽減されますから、土地の相続が予定されている人はぜひ知っておきましょう。
適用を受けられる宅地は4つの種類に分けられ、それぞれ減額割合や限度面積が異なります。次の項でまとめて見てみましょう。

【2】どのくらいお得になるの?
本特例の対象になるのは以下の①~④の4種類の宅地です。

 宅地等の種類減額割合適用を受けられる限度面積
特定事業用宅地等80%400㎡
特定同族会社事業用宅地等80%400㎡
貸付事業用宅地等50%200㎡
特定居住用宅地等80%330㎡

まず、①~④の宅地等の性質を簡単にまとめると以下のようになります。

①は被相続人の生前に一定の事業用として利用されていた宅地
②は被相続人と関わりが深い会社(同族会社)によって一定の事業用として利用されていた宅地
③は一定の貸付け事業用として利用されていた宅地
④は被相続人などが居住用として利用していた宅地各宅地の性質について、取りあえずは以上のようなイメージを持って頂ければ結構です。

では、どのくらい税負担が軽減するのか簡単な計算をしてみましょう。被相続人が自身の居住用として利用していた宅地(上記④)で例を挙げて見てみます。

仮に相続税評価額が3000万円の宅地(330㎡以下とします)に特定居住用宅地として小規模宅地の特例を利用する場合、330㎡までは80%の減額をすることが可能です。よって、3000万円×80%=2400万円の評価減が可能になります。課税対象となる評価額を3000万円-2400万円=600万円まで下げられるわけです。仮にこの相続において計算される相続税率(限界税率)を20%としますと、2400万円×20%=480万円の相続税を軽減することができるのです。
このように本特例はとても有利な制度ですので、ぜひ押さえておきましょう。

■利用には条件があります
この特例を利用する場合、必ず相続税の確定申告が必要になります。仮に本特例を適用した後の遺産の課税価格合計額が相続税の基礎控除以下に収まる場合でも、小規模宅地の特例を利用する場合は必ず申告が必要です。
また本特例には非常に細かい条件が付されるため、実際に利用できるかどうかは専門家に確認が必要です。それでも、特例の存在を知らないでいるとその相談すらできませんから、存在を知っているか、知らないかで大きな差が生まれます。
「相続した土地に関してお得になる特例があったな。専門家に聞いてみよう」本記事をご覧いただいた皆様にこのように思って頂けたら幸いです。

当事務所では相続税の負担をできるだけ避けたいとお考えの方から、小規模宅地等の特例に関して多くのご相談が寄せられます。税理士や不動産鑑定士など相続問題に明るい専門家が常駐しておりますので、ぜひお気軽にご相談頂ければと思います。

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