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相続税における障害者控除とは

相続財産を相続した場合には、相続税が課税されることとなります。
しかし、障害者については生活を営む上で様々な経済的負担が生ずることなどといった理由から、相続税の負担を軽減すべきとして、相続人が障害者の場合には、相続税額から一定金額を控除することができる制度が設けられています。

障害者控除の適用対象者はどんな人?
相続税における障害者控除の適用を受けることができる人は下記要件を全て満たしている人が該当します。
・相続人が85歳未満であること
・相続開始時点において、国内に住所がある者
・相続開始時点において、障害者であること
・法定相続人であること

障害者控除を受けた場合の控除額について
相続が発生した時点において、上述した障害者控除の適用対象者が、満85歳になるまでの年数×10万円の金額を障害者控除の控除額になります。
年数について、1年未満の場合には切り上げて年数を計算します。
したがって、10年5ヶ月の場合には11年と考えて控除額を計算します。
なお、特別障害者の場合には年数×20万円で控除額を計算します。

一般障害者と特別障害者の定義
上述した通り、一般障害者と特別障害者では障害者控除額が異なります。
一般障害者と特別障害者の違いは以下の通りです。

一般障害者とは
①児童相談所などから知的障害者と認定された場合。ただし、重度の知的障害者は除きます。
②精神障害者保健福祉手帳を所有しており、障害等級が2級または3級に該当する者
③障害者手帳を所有しており、障害の程度が3級から6級に該当する者

特別障害者とは
①児童相談所などから知的障害者と認定され、重度の知的障害者に該当する者。
②精神障害者保健福祉手帳を所有しており、障害等級が1級に該当する者
③障害者手帳を所有しており、障害の程度が1級または2級に該当する者

障害者控除を適用する為に必要な書類
障害者控除を適用する場合、下記書類を相続税申告書に添付する必要があります。
①未成年者控除額・障害者控除額の計算書
②障害者手帳のコピーなど、障害者控除の適用を受けることが可能であることを証明できる書類

障害者控除の適用を受ける際の留意事項
障害者控除の適用を受ける際の留意事項は下記になります。

障害者かどうかの判定はいつの時点か
障害者控除の適用を受ける為には、相続開始時点において障害者かどうか判断します。
したがって、相続財産の名義変更や相続税申告書を提出する時点で障害者であっても相続開始時点でなければ適用を受けることが出来ません。

相続が2回目の場合における障害者控除額の計算について
障害者控除額の計算方法は、上述した通り、一般障害者の場合には、10万円×(85歳?相続開始時における年齢)になります。
この計算式は、1回目の相続開始時を前提としており、2回目の相続が発生した場合には、1回目の相続時に適用した障害者控除額が残っていれば、その残りの障害者控除額と、2回目の相続開始時点における年齢で計算した障害者控除額を比較し、いずれか少ない方の金額が控除限度額となります。

まとめ
相続税における障害者控除について、概要や適用する為の必要条件、障害者控除額を解説しました。
相続開始時点において、法定相続人に障害者がいる場合には、上記要件を全て満たしているか判定し、満たしている場合には積極的にこの制度を適用するようにしましょう。

当事務所では相続税の負担をできるだけ避けたいとお考えの方から、「障害者控除額」に関してのご相談が寄せられます。税理士や不動産鑑定士など相続問題に明るい専門家が常駐しておりますので、ぜひお気軽にご相談頂ければと思います。

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