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管理不全空き家指定による固定資産税等への影響

両親が亡くなり、実家にほかに住む親族がいない場合など、空き家を相続することがあります。しかし、空き家の状態で放置しておくと、さまざまなリスクがあります。そこで、相続対策を考えるうえで知っておきたい、空き家の放置により生じる税金面でのリスクについて紹介します。

〇相続した不動産を所有する場合、空き家でも税金がかかる

不動産を所有していると、所有者が居住していなくても、税金が課税されます。具体的には、家屋とその宅地は固定資産税や都市計画税の課税対象となり、所有者は毎年これらの税金を納めなければなりません。
その税額は、原則として、固定資産税は固定資産税評価額に1.4%を、都市計画税は固定資産税評価額に0.3%を乗じて算出されます。

〇住宅用地については減額の特例がある

ただし、住宅用地については、特例が適用され、これらの税金が軽減されます。この特例が適用されると、小規模住宅用地(200㎡以下の部分)は、固定資産税が1/6に、都市計画税が1/3に軽減され、一般住宅用地(200㎡を超える部分)は、固定資産税が1/3に、都市計画税が2/3に軽減されます。
そして、空き家の宅地についても、この住宅用地特例による軽減措置の対象とされています。

〇「特定空き家」に加え、「管理不全空き家」に指定されると減額の特例が適用されない

しかし、「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、空き家を適切に管理せずに放置しておくと、「特定空き家」に指定されることがあります。特定空き家とは、放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれがあるなどと判断された空き家のことです。特定空き家に指定されると、その宅地は住宅用地特例の対象から外され、軽減措置は適用されなくなります。その結果、固定資産税は最大6倍、都市計画税は最大3倍に税金の負担が増えることになります。

さらに、空き家の増加が社会問題となっているなかで、特定空き家に至る前段階である「管理不全空き家」に対しても住宅用地特例の対象外とする法改正が2023年12月13日に施行されました。管理不全空き家とは、このまま放置すれば特定空き家になるおそれがある空き家のことです。この改正によって、管理不全空き家の指定を受け、状況が改善されない場合には、特定空き家と同様に減額の軽減措置が適用されなくなります。したがって、固定資産税等の負担を増やさないためには、所有している空き家が管理不全空き家に指定されないように適切に管理する必要があります。

このように、空き家を所有することには、その管理に要する費用や税金などの負担を伴います。したがって、空き家の相続対策については、相続前から、相続した際に空き家をどのように取り扱うかを検討し準備しておくことが大切です。ただし、どのような対策が有効であるかは状況によって異なりますので、空き家の有効な相続対策の判断が難しい場合などには、専門家に相談することをおすすめします。

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