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負債を相続するということ

〇マイナスの相続もある
相続といえば、遺産をもらえる、というイメージをお持ちだと思います。
しかし、相続はプラスの財産だけではなく、マイナスの財産もある、ということをご存じでしょうか。
相続するということは、預貯金や家、土地などのプラスの財産だけではなく、借金やローンなどのマイナスの財産も同時に相続することになるのです。
そこで今回は、負債を相続することになった場合にどんな手立てがあるのかを解説していきます。

【1】 負債の相続
負債とは「マイナスの財産」です。相続財産には、亡くなった人が抱えていた借金やローンなど、マイナスの財産も含みます。
相続対象となる負債の具体例を挙げてみましょう。

1友人、家族からの借金
2クレジットカードの未決済
3金融機関からの借り入れ
4住宅ローン
5ツケ払いの未払い分
6未払いの家賃
7未払いの税金や保険料
8未払いの損害賠償債務(交通事故など)
※住宅ローンの残高は、団信に加入している場合には返済を免除されますので、相続の対象外になります。
多額の借金がある場合、何も手立てを行わなければ相続人は借金を背負うことになります。
それでは相続人があまりに不憫です。
そこで用意されている法的手段が2つあります。

【2】「相続放棄」か「限定承認か」
多額の負債を相続することになってしまった場合、一体どうしたらよいのでしょうか。
選べる手段は「相続放棄」か「限定承認」の2つです。

(1)相続放棄
相続放棄とは、遺産のすべてを放棄する手続きです。
負債を放棄することはもちろん、現金や家などプラスの財産もすべて放棄することになります。多額の負債がある場合や、相続争いに巻き込まれたくない場合などに選択される方法です。

相続放棄について、主な注意事項は以下のとおりです。
・「相続の開始を知った日から3か月」以内に家庭裁判所に申し出る必要がある
・生前に相続放棄をすることはできない
・必要書類を準備しなければならない
・放棄の撤回は原則できない
・相続放棄をすると次の順位の人に相続権が移り、関係者と情報共有しておく必要がある

(2)限定承認
限定承認とは、プラスの財産と、マイナスの財産を差し引きして、財産が残ればもらうという手段です。プラスを超えて、借金を背負うリスクがありません。
負債はあるが自宅だけ取得したいといった場合や、負債の有無が不明である場合に選択される方法です。

限定承認について、主な注意事項は以下のとおりです。
・「相続の開始を知った日から3か月」以内に家庭裁判所に申し出る必要がある
・相続人全員で共同して行う
・限定承認の手続きが終了するまでは、財産の処分を行ってはいけない
・相続放棄同様、必要書類を準備しなければならない
・官報公告など費用や手間がかかる

【2】 一番の対策は?
多額の負債がある場合には、ご自分の状況に適当な方法を検討し、最悪の事態を避けなければいけません。しかし、一番の対策は、生前のうちに相続財産の整理をしておくこと、家族と情報を共有することです。無用なトラブルを回避しましょう。
ただし、実際には判断が難しいケースや、相続に関する知識がなく手続きに不備があるなどリスクが伴う場合があります。専門家に依頼すると安心です。

いかがでしたでしょうか。本記事では、負債の相続について解説いたしました。
財産関係が複雑で判断に迷う場合や、手続きに不安がある場合など、お困りごとがございましたらぜひ当【ACCESS税理士・不動産鑑定士事務所】までお気軽にご相談ください

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